私は長年企業マーケティングとブランディングの仕事に携わってきました。
その過程を通じて感じてきた違和感は「社会課題領域を新たな価値創造の機会領域として捉えている企業は極めて少なく、短期的な収益最大化が最重要ミッションであるが故に、それに取り組む視点は極めて少ない」ことでした。すなわち、企業は経済成長に執着し、取り組むべき経営課題は市場課題が最優先であり社会課題ではないという点でした。
SDGsの社会的浸透もあり2021年日本のSDGs達成度は世界18位にランクインしています。一部大手企業は持続可能な社会の実現に向け経営理念と統合することで、社会課題解決への取り組みを見せていますが、企業全体としては加速していない現実があります。これを加速させるためには「社会的価値」と「経済的価値」の両立にあります。これまで、この二つの価値は相反するものであり経済的価値と引き換えに、新たな社会課題が生まれてしまう「トレードオフ」の関係であるとされてきましたが、これを「トレードオン」に転換する人材育成が重要だと考えています。
即ち、社会課題領域を新たな価値創造の機会領域として捉え、従来のやり方にとらわれずに「地球に優しい製品開発」や「人を幸せにするサービス」を「発想する思考法」「実現する為の手法」を使いこなし、新たな切り口を見つけ出すイノベーティブ人材育成です。
又、育成する上で大切にしたい事は「人や社会を大事にする」、その根幹に「地球環境」があるという事を。そして、それを常に考えられる企業が社会に増えれば、社会は良くなるという強い理念を持ってこれからも日々事業及び研究に邁進していく所存です。